地球軌道離脱用のロケット噴射に失敗し、最終的には太平洋に落下したとみられるロシアの火星探査機「フォボスグルント」ですが、原因究明を進めているロシア宇宙局は、製造段階でのミスが事故につながったとみています。長官の声明として、RIAノーボスチ通信が伝えています。
ロシア宇宙局のポポフキン長官は、製造段階における欠陥によって探査機が動作異常を起こした可能性があると、17日に言明しています。これは、政府の事故調査委員会における検討結果とのことです。
一方で、以前お伝えした「アメリカ軍の強力なレーダーにより探査機の動作に異常が生じた」という説については、長官は「可能性の1つに過ぎない」とし、「事故の主な原因は、製造と試験における過ち、そして技術的な欠陥である」と述べています。
また長官は、探査機に電波が影響を与えたかについて、NASAの専門家を含めた試験を実施するつもりであるとも語っています。
・RIAノーボスチ通信の記事 (英語)
http://en.rian.ru/russia/20120119/170838289.html
・フォボスグルント／蛍火1号 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/mars/exploration/future.html#PHOBOSSOIL