上海航天技術研究院の衛星開発総師である徐博明研究員は、ロシアの「フォボス・グルント」(フォボス・ソイル)と共に、蛍火1号の打ち上げを来年11月に行うと発表しました。また、昨年の延期についてはロシア側のサンプルリターン装置の改良にあることを強調しました。両衛星は火星到着後、火星を周回する楕円軌道に投入され、火星空間の観測を行うことになります。
徐研究員によると、今回の探査は「3つの『初』」があるとのことです。すなわち、初の中露共同のミッション、初の火星探査ミッション、そして、約2年(23ヶ月)での火星探査機開発ということです。
徐研究員は、この火星探査の技術目標と科学目標について、それぞれ、技術目標は
- 火星探査機開発のための技術
- 火星探査に必要な一連の技術の習得(打ち上げ、軌道計算、惑星間飛行、火星軌道投入、管制技術)
- ロシアとの共同体制の確立
- 火星の磁場、電離層及び荷電粒子の分布及びその変化
- 火星上層大気のプラズマの散逸率
- 火星の地形、表層環境、砂嵐など
- 赤道での重力
を、科学目標として、
を挙げています。
・中国新聞社の記事
http://www.chinanews.com.cn/gn/2010/10-21/2604220.shtml
・フォボス・ソイル計画/蛍火1号 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/mars/exploration/future.html#PHOBOSSOIL
※翻訳協力=葉月野