マーズ・エクスプロレーション・ローバのうちの1台、「オポチュニティ」に搭載されているロボットアームのモータのうち、1つについて故障が頻発していることが、NASAから発表されました。
NASAのローバの技術者たちが、この故障の原因究明と、4月14日に起きたモータ停止が過去の故障とどう関係しているのかについての調査を行っています。なお、モーターはこのロボットアームには全部で6つ搭載されており、そのうちの1つの調子が悪いということです。
この調子の悪いモーターは、ロボットアームの肩の部分に装備され、横方向の運動を制御しています。他のモーターは肩の部分の上下運動や、肘、腕の部分などの動作を制御しています。ロボットアームの先頭部分には、岩石の分析などに使われる4つの科学分析装置が搭載されています。
ローバのプロジェクトマネージャであるジョン・カラス氏は、「このモーターの最悪の状況を想定しても、オポチュニティはロボットアームを使った科学分析を行える状況にはある」と語っています。「ローバはビクトリア・クレーターの調査を行ったあと、クレーターから出て、再びメリディアニ平原に戻ることになる。」
モータのここ数週間の動作については、電子回路の抵抗の状況と一致しており、機械的なトラブルというよりは、電子回路内部のワイヤなどの損傷が原因ではないかと考えられます。この抵抗が局所的なものなのか、完結的なものなのかについてのテストが予定されています。
・JPLのプレスリリース(英語)
  http://marsrovers.jpl.nasa.gov/newsroom/pressreleases/20080423a.html
・マーズ・エクスプロレーション・ローバ (月探査情報ステーション)
  http://moon.jaxa.jp/ja/mars/exploration/MER/