<%image(20070629-path-browse.jpg|300|225|%>
着陸後3年半を経過しても順調に動作を続けている火星ローバ「マーズ・エクスプロレーション・ローバ」のうち、2台目の「オポチュニティ」が、クレーターへの降下を行うことになりました。)
「オポチュニティ」が降下するクレーターは、ビクトリア・クレーターというクレーターです。既に、ローバはクレーター周辺の探査を済ませており、その内部に降りてクレータの探査をすることが、科学的に非常に意味があると、ローバの科学チームが判断したものです。
しかし、この降下は大きな危険も伴います。既に3年半を経過し、ローバの老朽化などの問題もありますし、クレーター内は岩が多いため、岩にはさまれたり、機能の一部を失うといった危険性の問題もはらんでいます。しかしそれでも、科学チームとしてはその危険性を上回る価値があるとして「賭け」に出たものです。
ビクトリア・クレーターは、「オポチュニティ」の着陸点から南へ約6キロメートルの地点にあります。直径は800メートルほどで、これまで探査してきたクレーターとしては大きなものにあたります。
クレーターは、その形成過程で火星の地表を掘削します。このことにより、クレーターの崖を調べることで、この地域の地質学的なの進化の様子がわかり、火星がどのような環境にあったかを知る手がかりを得ることができます。
以前探査していたエンデュランス・クレーターから、このクレーターまでの移動は30ヶ月を要しました。ビクトリア・クレーターの探査は9ヶ月前から始まり、上の図にあるようにクレーターの縁付近の地質調査を行ってきました。今後クレーターの縁で、降下に最適な場所に向かい、降下を開始する予定です。
・プレスリリース(NASA)
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2007-070
・マーズ・エクスプロレーション・ローバ (NASA/JPL)
http://marsrovers.jpl.nasa.gov
・マーズ・エクスプロレーション・ローバ(月探査情報ステーション)
http://moon.jaxa.jp/ja/mars/exploration/MER/