中国は独自で火星探査を行う能力を備えており、政府の指示があれば打ち上げは可能だ…中国の月探査、嫦娥計画の総責任者である葉培建氏が9日、中国・重慶の大学で行った講演で述べた内容です。12日付の人民網日本語版が伝えています。
この講演では、中国は2013年にも、独自の火星探査機を独自のロケットと独自の管制システムで打ち上げる能力がある、と述べています。
(編集長注)中国は、2009年に、ロシアの探査機とロケットに相乗りする形で、初の火星探査機「蛍火1号」を打ち上げる予定でした。しかし、ロシア側が探査機の性能に確信が持てないという理由で打ち上げを延期したため、この蛍火1号の打ち上げは2年間、つまり2011年まで延期されました。
火星探査の好機は、地球と火星の軌道の関係で約2年2ヶ月おきに回ってきます。従って、2011年の次の打ち上げ機会は2013年ということになります。中国がこのタイミングで火星探査を狙っている可能性もあるということになります。
なお、欧米の動向を見ますと、2011年にアメリカがマーズ・サイエンス・ラボラトリが打ち上げられる予定ですが、その後についてはまだはっきりしていません。ヨーロッパが計画しているエクソマーズ計画も、2016年及び2018年へと計画が変更になっており、またNASAがこの計画に加わることになっています。
従って、2013年はちょうど火星探査に関しては「空白期間」となっており、このチャンスを中国が狙うということは十分に考えられます。ただ、中国の火星探査についての能力は未知数であり、開発動向については今後慎重に情報を分析していくことが必要です。
・中国、単独での火星探査能力備える (人民網日本語版)
  http://j.peopledaily.com.cn/95952/6947574.html