韓国が2017年にも月探査機を打ち上げるのではないかという情報が入ってきています。韓国などの複数のメディアが報道しています。
これらの情報によりますと、次期大統領に選出された朴槿恵(パク・クネ)氏が、大統領の引継ぎ委員会に報告する内容に含まれている情報とのことです。

もともと、韓国では2025年ころをめどに月探査を実施するという話がありましたが、今回の大統領の引継ぎ資料では、2016年に月探査機を打ち上げ、2017年に月周回を行うという予定になっています。つまり、若干予定を前倒しするということになりそうです。さらに、「2020年に月に太極旗(編集長注: 韓国の国旗)がはためくだろう」という文言もあり、2020年には月着陸機を月面に送り込む計画ではないかとみられています。

(編集長注)ご承知の通り、韓国は国産ロケット(ロシアからの技術供与を受けている)の打ち上げに難航しているなど、宇宙開発では非常に後手に回っていますが、朴次期大統領としては科学技術立国としての「フラッグシップ」としての月探査に踏み出そうとしているのではないかと思われます。
ただ、月探査は非常に高度な技術が必要であり、いまから4年でそこまで到達できるのかどうかは全くわかりません。さらに、打ち上げロケットの開発または調達(現行の韓国のロケットでは能力不足でしょう)、長期的な月の科学探査に向けた解析や技術開発の体制整備などについては全く不明です。
このようなことがあるとしても、韓国もアジアの「宇宙競争」、あるいは「月・惑星探査レース」に加わろうという意図を明確に示したことは、注目すべきであると思われます。