来年末までに月面ローバーを純民間資金で開発し月面に着陸、走行させるという競争「グーグル・ルナーXプライズ」に日本から唯一参加しているチーム「ハクト」は、12月28日、新たにサポーティングカンパニーにヤマウチマテックス株式会社が加わったと発表しました。リリースはツイッターでのみ(現時点では)なされています。
なお、ヤマウチマテックスはリリースのページを公開しています。

ヤマウチマテックスは福井に本拠を置く金属加工メーカーです。福井といえばその「特産品」はメガネです。実はヤマウチマテックスはチタンの加工を得意としています。
最近のメガネは軽くて丈夫ということでチタンフレームのものが多くなっています。しかし、丈夫であるということは加工が難しいということでもあります。削る際には熱を持ちやすく、プレスするともろくなるなど、その加工技術はかなり大変なものがあります。

チタンは熱に強く丈夫で軽いという性質を活かして、航空・宇宙分野でも広く用いられています。
今回、ヤマウチマテックスはハクトに対し、電子ビームを利用した3次元積層技術を使った(かなり簡単にいいますと、電子ビームを使って薄い層を少しずつ張りながら徐々に厚くしてものの形を作っていく技術です)64チタン部品(アルミニウム6パーセント、バナジウム4パーセントを含むチタン合金)を供給するとのことです。

なお、ハクトではミッションを支えるパートナーとして、3つのレベルの企業を定義しています。

  • オフィシャルパートナー…最上位のパートナーで、ハクトと共に月面探査を目指す。現在はau (KDDI株式会社)1社。
  • コーポレートパートナー…ハクトミッションを支えるパートナー。現在は日本航空 (JAL)など6社。
  • サポーティングカンパニー…ハクトチームに対し、技術面などで協力する会社。現在はこのヤマウチマテックスを加え14社・団体。

ひょっとしますと年明けにはハクトチームからもリリースが出るかも知れませんので、その際には本ページに追記します。