中国が月探査の「第3フェーズ」(記事では「第3期」)として進めているのが、月からのサンプルリターンです。ちなみに、第1期は「周回探査」、第2期は「着陸+ローバー探査」です。
2017年に打ち上げられる予定の中国の月サンプルリターン探査機「嫦娥5号」について、このほど、第1段階の試験に成功したと、人民網日本語版が光明網の記事として伝えています。

嫦娥5号

月面に着陸した嫦娥5号の想像図 (人民網日本語版より)

記事では、月の重力(地球の6分の1)を模擬する環境が設定され、そこで試験が行われたとしています。特に試験で重視されたのが、着陸の際の姿勢と安定性のようです。これはおそらく、嫦娥5号が、サンプル採取機構や地球への帰還部分などを持つために非常に重く、安定性を保つのが難しいためではないかと推測されます(記事では重さが2トンほどと書かれています)。

記事では、「8種の状態・18種の活動環境における模型の着陸初期値パラメータ、着陸地点の地形、着陸地点の力学的パラメータ」が着陸安定性に及ぼす影響を検証したと書かれていますが、具体的な内容がないため、どのような形での試験が行われたのかは不明です。吊り具の話が出ていることから、おそらくは探査機の試験機を上からロープで吊り下げ、月での着陸と同等の衝撃になるように模擬月面に落下させる試験ではないのかと想像されます。

いずれにしても、2017年の打ち上げに向けての試験が精力的に行われていることは、この記事からもうかがい知ることができます。