2017年に打ち上げ予定の中国の月サンプルリターン機、嫦娥5号について、中新網(英語版)はこのほど、ローバーを搭載しない模様だと報道しました。

ご承知の通り、現在月面で活躍中の嫦娥3号には、ローバー「玉兎」が搭載されました。同じ構成で打ち上げられる嫦娥4号にも、この後継機となるローバーが搭載されることは間違いないと思われます。
一方で、嫦娥5号へのローバー搭載が見送られた理由としては、サンプルリターン機構が重量などを大きく占めてしまってローバーを搭載するゆとりがないことや、リスクを最小限にする雨といった理由が考えられますが、報道ではその点は触れられていません。

なお、この報道では、現在活躍中の玉兎についての情報も掲載されています。それによると、玉兎は間もなく月面での10日目に入るということです(ご承知の通り、月の1日は約1ヶ月=29.5日です。つまり、約10ヶ月間ミッションを行っている、ということになります)。当初、月の3日間もてばよいと考えられてきたローバーですが、いまのところ搭載されている4つの機器とも正常とのことです。

また、報道では、中国の有人月探査は、2020年より前には行われない、との当局者の発言も記しています。