中国の月探査機「嫦娥3号」に搭載されていたローバー「玉兎」、覚えていらっしゃいますでしょうか? 少し記憶のある方だと「あれ、確か故障したんじゃなかったっけ?」と思うかも知れません。実は、一部機能は故障していますが、ローバー自体は動作しており、このほど月面での史上最長の稼働時間記録を達成しました。

新華網の記事を引用・翻訳した人民網日本語版の記事によりますと、この「玉兎」は稼働時間が684日にも及んでおり(ほぼ2年弱)、これは月面探査機してはもっとも長い稼働時間とのことです。
この記事自体は中国におけるツイッターに当たる微博(ウェイボー)で配信され、人民網日本語版によれば、3000件以上もの転載(リツイートのことでしょうか)、2000件以上もの返信、6000件以上もの「いいね!」(ツイッターにおける「お気に入り」のことでしょうか)がついたとのことです。それだけ、中国人の愛国心に訴える内容だったともいえましょう。

もっとも、この684日という稼働時間は、技術的にみても素晴らしいものがあります。皆様ご存知の通り、月面は14日間の昼と14日間の夜がやって来ます。昼の間はいいとして、夜は太陽光が全く照らないため、エネルギーを得ることができません。この14日間の低温とエネルギー不足をいかに耐えるかという技術が、将来の月面基地などに大いに活かされるはずです。684日ということは、単純計算で28回の夜を越えたということですから、このような経験が中国には大いに蓄積されたということになるでしょう。

さて、この人民網日本語版の記事でもう1つ注目なのは、来年にも打ち上げられるとみられる「嫦娥4号」の記事です。ここでは、嫦娥4号は史上初の月の裏側への着陸を目指すと明言されています。これは先日お伝えした内容とも合致しており、嫦娥3号が予想以上に成功したのを受けて、中国当局としては嫦娥4号のミッションをリスクの高い、思い切ったものにするという決断に打って出たと考えられます。

嫦娥3号と共に、今後の嫦娥4号についての情報も見逃せません。