中国の月探査機、嫦娥2号について報道が相次いでいます。相次ぐ報道は、打ち上げが近いことを表しているものと思われます。
○嫦娥2号は高精度カメラを搭載
 嫦娥2号が搭載するカメラは、最高で解像度が7メートル、ステレオ視(立体視)が可能とのことです。
 今回は高度が嫦娥1号の200キロから、100キロにまで低くなったこともあり、またカメラの性能自体の向上もあって、嫦娥1号のカメラ(解像度120メートル)よりもはるかに高い、最高7メートルの解像度で写真を撮影できるとのことです。
 また、撮影方式はプッシュブルーム方式を採用するとのことです。
 これにより、世界でもっとも精密な3次元地図の作成を目指します。
(編集長注)プッシュブルーム方式は、「かぐや」における地形カメラ(TC)、及びマルチバンドイメージャ(MI)などでも採用されている方式です。普通のカメラのように1回のショットで1枚の映像を撮るのではなく、衛星の進行方向に沿って、連続的に画像を取得する方式です。地球観測衛星でもよく用いられる方式で、全球をカバーするのに適していますが、画像量の増大、帯として捉えた画像のマッチングなど、撮影からデータ処理まで高度な技術が必要となります。
・月探査衛星「嫦娥2号」 搭載カメラの解像度は7メートル以下 (人民網日本語版)
  http://j.peopledaily.com.cn/95952/7143602.html
・月探査衛星「嫦娥2号」の周回軌道、月面により接近
  http://j.peopledaily.com.cn/95952/7142694.html
○嫦娥2号の運用訓練が進む
 嫦娥2号の打ち上げに向けて、運用訓練が行われていると、人民網日本語版で報道されています。
 緊急事態に備えた対処テストなどが行われているようです。
・月探査衛星「嫦娥2号」、コントロールセンターで毎日実践訓練 (人民網日本語版)
  http://j.peopledaily.com.cn/95952/7142037.html
・嫦娥 (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/