中国の月探査機、嫦娥2号が撮影した月表面の写真が、このほど中国国家航天局から公開されました。
航天局長官のZhang Jiahao氏は、「送られてきた写真を見る限り、嫦娥2号の探査は成功したといえるだろう。」と述べ、賞賛しています。
今回、嫦娥2号は約6ヶ月にわたって月の周りを周回し、途中では高度15キロと、地表すれすれを飛行しての探査を行いました。このような低高度での飛行の目的は、次の着陸探査(嫦娥3号)での着陸地点の候補地の選定のためです。
今回公開された写真は、この候補地としてもっとも有力視されている「虹の入り江」のものがほとんどですが、UNIVERSE TODAYでは、一部の写真には「極」という文字が入っていることから、おそらく極(南極か北極かは不明)地域のクレーターについても撮影したのだろうと推測しています。
公開された写真には、ステレオ(立体視)写真も含まれています。

「虹の入り江」の立体写真

「虹の入り江」の立体写真

上の写真は、打ち上げから4日後、10月28日に撮影された「虹の入り江」の写真です。解像度は1.3メートル/ピクセルと、以前の嫦娥1号に比べて格段に性能が向上しています。