月探査衛星(とはいっても今は月を離れ、深宇宙探査衛星になっている)嫦娥2号の小惑星トータティスの観測データの解析結果が、このほど発表されました。新華社での報道を人民網日本語版が報じています。
嫦娥2号は2012年12月13日にトータティスに最接近しましたが、その前後で取得された画像について、中国科学院紫金山天文台の科学者が分析を行ったとのことです。表面には200個ほどの岩も認められたということです。また、クレーターのサイズ分布の分析から、表面は16億年ほどの年齢だということです。これは太陽系の年齢に比べれば比較的に新しいもので、トータティスが割と最近になって形成されたことが示唆されます。このあたりはイトカワの分析結果ともやや似ている部分があり、注目です。

嫦娥2号は月探査衛星でしたが、燃料などに余裕があったことから月軌道を離脱して深宇宙探査を実施、上記の通り小惑星トータティスの探査を行っています。このトータティス、地球に近づく小惑星、いわゆる「地球近傍小惑星」の1つです。「はやぶさ」が探査したイトカワや、「はやぶさ2」が向かっているリュウグウと同じ種類に属します。
今後、こういった分析結果が蓄積されていくことにより、地球近傍小惑星の素性がさらに明らかにできることが期待されます。