中国の月探査機嫦娥2号は、月周回を終了したあと、なんとラグランジュ点へと向かう模様です。嫦娥計画の総設計師顧問である葉培建氏が明らかにしました。法制晩報の記事を人民網日本語版が伝えています。
葉氏によると、嫦娥2号は6月16日頃にも現在の月周回軌道から離れ、そこからラグランジュ点(太陽と地球の重力が均衡するポイント)へと向かう予定だとのことです。
もともと、嫦娥2号の観測期間は半年の予定でした。4月1日に嫦娥2号はその半年を経過し、燃料もまだ十分に残っていることから、月探査任務を終了した上で、ラグランジュ点にて引き続き観測を続けるとのことです。ただ、観測対象が月なのかどうかということについては記事では触れられていません。
またこの記事では、嫦娥2号が取得した高精度の立体画像の解析作業が進んでいることにも触れており、年末までに公開される予定の画像の解像度は7メートルという精度に達するとのことです。
(編集長注)日本の月探査衛星「かぐや」の地形カメラの画像は最高で8メートル程度の解像度、アメリカのルナー・リコネサンス・オービターの最高解像度は50センチメートルとなっています。嫦娥2号の解像度は「かぐや」と同程度ということになります。
・人民網日本語版の記事
http://j.people.com.cn/95952/7385281.html
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/