先日、月の「虹の入り江」領域の詳細画像の撮影に成功した嫦娥2号ですが、今後の観測により、月面のもっとも詳細な地図を作成することになると、中国の専門家が述べています。人民網日本語版が伝えています。
「月・深宇宙探査科学応用センター」の李春来主任によると、今後半年にわたる撮影で月面全体をカバーし、解像度7メートルの写真による全球地図を完成させるとのことです。嫦娥1号(解像度120メートル)に比べて20倍にもなる解像度で全球をカバーできるとのことです。
(編集長注)現在、月面で最も高い解像度で撮影している写真は、ルナー・リコネサンス・オービターの約1メートル(場所によっては50センチ)です。また、日本の月探査衛星「かぐや」は、地形カメラによって最高8メートルの解像度で全球写真を取得しています。但し、現在(2010年末)のところ、「かぐや」のデータを利用した全球マップはまだリリースされていません。「かぐや」データによる月面全球マップはいずれリリースされるものと思われ、その時点で嫦娥2号とほぼ同等のデータによる月面マップが得られるとは思いますが、すでに探査終了から1年半を経過してデータが出てきていない状況では、中国に成果面でも追い抜かれる可能性すらあります。終了した探査についてもしっかりとした資金面、人材面での手当を行うことが求められます。
・人民網日本語版の記事
  http://j.peopledaily.com.cn/95952/7214576.html
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/