嫦娥2号…今回,人民網日本語版の記事自体が『「嫦娥2号」を覚えているだろうか?』という一文で始まっているくらいですので、皆さんもその後忘れてしまっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。このほど、嫦娥2号は太陽系の「小惑星」…もう少し正確にいいますと、人工惑星になったことが報告されました。新華網の記事を人民網日本語版が伝えています。

今回の報告は、今開催されている全国政治協商会議で報告されたもののようで、報告者は、中国の月探査機のシステム最高責任者(記事では「嫦娥1号」のチーフデザイナーとなっています)の葉培建氏です。
この報告によりますと、嫦娥2号は現時点で太陽の周りを回る楕円形の軌道を周回しており(編集長注: おそらくはこの軌道は、地球の公転半径に近い、いわば地球近傍小惑星の軌道に近いものと推定されます)、2020年頃には地球の近くに戻ってくるということのようです。これも推測になりますが、中国の宇宙当局が、この戻ってくる嫦娥2号との交信などを行うことも考えられます。なお、記事中には現状の嫦娥2号の状況については特に報告されていません。

なお、記事では嫦娥2号が達成した内容について以下のように述べています。

  • 解像度7メートルで(つまり、嫦娥1号よりもはるかに高精度)で月面の写真を撮影(編集長注: この解像度は、その少し前に日本が打ち上げた探査機「かぐや」が撮影した写真の解像度にほぼ匹敵します)。
  • 月周回軌道からラグランジュ点(L2)への飛行(世界初)。
  • 小惑星トータティスの近接写真撮影。

もちろん、嫦娥2号が撮影した写真により、後継の着陸探査機「嫦娥3号」の着陸点の詳細な情報が得られた、という点は重要でしょう。
嫦娥2号の現状についての情報も得られ次第お伝えいたします。