嫦娥2号の打ち上げ準備はほぼ整ってきたようで、あとは打ち上げを待つばかりとなっているようです。専門家からはさまざまな期待の声が出ています。
地上応用システムの総指揮をとる劉暁群氏は、今回カメラの性能が飛躍的に向上していることを受けて、月面の詳細な写真が得られることに期待しているとコメントしています。
一方、嫦娥2号は嫦娥1号に比べて月面軌道高度が低いことなどから、衛星の複雑な運用が必要になるという面もあります。
まず今回は、嫦娥2号は(嫦娥1号とは異なり)、月への軌道(月遷移軌道)に直接投入されます。そのため、この軌道に正確に乗れるかどうかが1つの大きなポイントとなります。
また、月周回軌道に正確に入れるかどうかが2つめの大きなポイントとなります。これは「かぐや」でもそうでしたが、月周回軌道に入るためには、衛星の速度を正確に調整する必要があります。そのために逆噴射を決まった時間だけ行わなければならず、それが少しずれただけでも、衛星を月の周りの軌道に入れることはできません。
そして最大の難関は、周回高度を下げていくことです。特にこの作業は衛星が月の裏側にいる際に行うことになるため、地上からは直接通信が行えず、状況を把握することができません。
打ち上げが無事完了してからも、これらの行程(シーケンス)がうまくいくかどうかを見守っていく必要があります。
・嫦娥2号が撮影する月の写真に期待かかる (人民網日本語版)
http://j.peopledaily.com.cn/95952/7155684.html
・嫦娥2号、3つの見どころ
http://j.peopledaily.com.cn/95952/7155686.html
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/