中国月探査機計画の最高責任者である欧陽自遠氏は、このほど会合で演説し、中国の月探査のうち、無人の段階は2017年頃をめどに終了すると語りました。なお、そのあとに来る段階として有人月探査が考えられますが、それをいつから開始するかについては明言しませんでした。
中国の月探査は、周回、着陸、回収(サンプルリターン)という3つの段階を踏んで行われ、それぞれの段階に2機ずつ探査機を飛ばすことになっています。例えば、周回段階では嫦娥1号と2号が飛行し、着陸段階では嫦娥3号が間もなく(2013年頃に)打ち上げられる予定です。またそのあとに嫦娥4号が予定されています。
サンプルリターンは嫦娥5号及び6号ということになります。
有人探査については、上記の通り欧陽自遠氏は明確な発言をしませんでしたが、「十分な準備が必要」と述べています。
(編集長注)中国の月探査の時期については、これまで着陸機についてはおぼろげながらわかってきていましたが、今回の記事により、サンプルリターンは2017年(まで)に行われることがわかりました。
予想される行程としては、2013年に嫦娥3号、2014年?に嫦娥4号、2015ないし16年に嫦娥5号(サンプルリターン機)、2017年に嫦娥6号ということになります。これは、2017年を無人探査の最終機とした場合です。これまでは、2017年頃にサンプルリターン機を打ち上げるとしていましたので、今回の報道内容が事実であれば、中国の月探査計画は当初の予定より早まっていることが考えられます。ただ、それが実行できるかどうかは、記事中で欧陽自遠氏も述べているように、様々な技術開発が必要なこともあり、予断を許しません。さらに有人月探査についてはより綿密な技術も必要になりますので、日程は何ともいえないところです。ただ、おそらくは2020年代を念頭にしているのではないかということは予想できます。
・人民網日本語版の記事
  http://j.people.com.cn/95952/7955027.html
・嫦娥計画(月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/