12日付の新華社報道(英語版)によると、昨年打ち上げられた中国の月探査機、嫦娥1号により得られたデータを元に作成した月の全球写真が公開されたとのことです。
月探査を担当している国家科学技術局によると、この写真は月の全球をカバーしているとのことです。科学局副長官のSun Laiyan氏は、この画像は嫦娥が搭載しているカメラのデータを元に作成しているということです。写真は、これまでの月探査により得られたデータに比べても精度の点で勝っているというふうに科学者がコメントしています。
探査機のカメラは、元々は北緯70度以南から南緯70度以北の領域をカバーする(つまり、両極領域はカバーできない)とされていましたが、カメラの状態がよかったことから、この地域(極地域)についてもデータを取得できたとのことです。写真は国家博物館で記者に公開されましたが、一般公開についての時期は未定とのことです。
この席で、Chin Quifa局長は、「嫦娥1号は1年にわたる探査を終了し、中国の月探査の第1段階が成功裏に成し遂げられた。」と述べています。
さらに局長は、次の段階として、2011年末までに、次の月探査機「嫦娥2号」を打ち上げると言明しました。
中国は2007年の月周回機(嫦娥1号)の打ち上げに続き、2012年には月面車(ローバ)を送り込むとしてきました。さらに、月の砂などを持ち帰る計画(サンプルリターン)についても、2017年をめどに行うとされています。
月面写真公開の記者会見(写真: 新華社)
嫦娥1号のデータにより作成された月面の全球写真(写真: 新華社)
・新華社の記事(英語)
http://news.xinhuanet.com/english/2008-11/12/content_10347379.htm