8月29日に突如通信が途絶え、探査終了という事態になったインドの月探査衛星、チャンドラヤーン1ですが、問題原因として、熱に対する設計に関しての問題があったという情報が、moondaily.comで報道されています。インドPTI通信からの報道の引用です。
インド宇宙機関(ISRO)のマドバン・ナイール総裁の発言によると、問題は熱だけでなく、放射線にもあったということです。
現在、専門家がインドに集まり、チャンドラヤーン1のミッションについての問題点を洗い出す会合を月曜日から行っています。ナイール総裁によれば、「我々は、探査機が(月面の熱輻射から)問題なく冷却されるように設計を行ったつもりであった。それによって、探査機の温度は40度程度に保たれる予定であった。しかし、ご存じのように、温度が上がると探査機器の故障の確率は上がる。これに加え、放射線の問題もあり、事態が悪化したのだ。そして、予定よりも早く、ミッションが終了してしまったのである。」とのことです。
さらに総裁はこう述べています。「これは間違えたというものではない。学んでいくという過程なのだ。未知の領域に入っていくときには、新しいことに出くわすものなのだ。その新しいことを学んでいくことで、将来の探査に活かされなければならない。」
ISROは8月30日、公式にチャンドラヤーン1の探査終了を宣言しています。
・Heat And Radiation Crippled India’s Maiden Moon Mission (moondaily.com, 英語)
  http://www.moondaily.com/reports/Heat_And_Radiation_Crippled_India_Maiden_Moon_Mission_999.html
・チャンドラヤーン1 (月探査情報ステーション)
  http://moon.jaxa.jp/ja/history/Chandrayaan-1/