これまで地球スイングバイした小惑星サンプルリターン探査機は…といっても、「はやぶさ」と「はやぶさ2」ですが…全て地球の写真を撮影してきました。その例にならってなのか、22日(日本時間23日)に地球スイングバイを実施したアメリカの小惑星探査機「オサイレス・レックス(オシリス・レックス)」も、地球の美しい写真を撮影しました。

オサイレス・レックス(オサイレス・レックス)が撮影した地球のカラー画像

オサイレス・レックス(オサイレス・レックス)が撮影した地球のカラー画像。左下にオーストラリア大陸、写真上部には北アメリカ大陸がみえる。Photo: NASA/Goddard/University of Arizona

この美しい地球の写真は、地球スイングバイでの地球最接近から約1時間後に撮影されたもので、ちょうど太平洋が全面に写っている形になっています。そのため、陸地があまりみえませんが、左下にはオーストラリア大陸、写真の上の方には北アメリカ大陸(右側はメキシコ付近、左側はアラスカ付近)が写っています。地球からの距離は約17万キロメートルです。

また、白黒ですが、より近いところから地球を撮影した写真も公開されています。

オサイレス・レックス(オサイレス・レックス)が撮影した地球のモノクロ画像

オサイレス・レックス(オサイレス・レックス)が撮影した地球のモノクロ画像。スイングバイ直後に撮影されたもので、距離は地球から約11万キロ。Photo: NASA/Goddard/University of Arizona

撮影距離は地球から約11万キロです。この写真では地球の北極が上になるように修正を施しています。白黒なので若干みえにくいですが、中央やや右上のところに、北アメリカ大陸(カリフォルニア半島)が写っているのがわかります。
また、写真右端のところには、大西洋上の2つの渦…ハリケーン「マリア」(南側=下側)と「ホセ」(北側=上側)が写っています。

惑星探査機は遠くを飛んでいますので、地球と月を同時に収めることもできます。オサイレス・レックスもそのような写真を撮っています。

オサイレス・レックス(オシリス・レックス)が撮影した地球と月の写真

オサイレス・レックス(オシリス・レックス)が撮影した地球と月の写真。スイングバイ語の25日に撮影され、地球からの距離は129万7000キロメートル。月と地球は約40万1200キロメートル離れていた。Photo: NASA/Goddard/University of Arizona

写真右下が月、左上が地球です。地球と月の距離はかなり離れていて約40万1200キロ、写真撮影時の地球との距離は約129万7000キロメートルとなっています。

このような写真を撮るのは、「美しい地球の姿を収める」ということもありますが、それ以上に重要な目的があります。探査機のカメラの試験です。
探査機のカメラが打ち上げ後正常に動作するかを確かめるため、よくわかっている被写体である地球や月を撮影することで、確認を取るのです。特に「スペクトル」と呼ばれる光の波長を分けて観測する場合、正しく光を分けられているかどうかなどは、地球を撮影することで非常によくわかります。
そのような意味で、美しい地球や月の写真が得られるのは、いってみれば探査の「おすそ分け」なのですが、それでもそのような写真を得られるということは大変貴重なことです。

地球をスイングバイし、加速したオサイレス・レックス探査機は、来年10月ころには目的地の小惑星ベンヌに到着する予定です。「はやぶさ2」に続き、小惑星での探査を繰り広げるオサイレス・レックス。どのような展開が起きるか、これから楽しみでもあります。