イベント情報でお伝えした通り、9月18日〜19日、東京都昭島市の「アキシマエンシス」にて、「はやぶさ」2の実物大模型の展示が行われます。

それに先立ち、主催者が住む福生市内の小・中学校合計7校で、この実物大模型の展示と、それを利用した解説が行われます。
今回その様子のリポートとして、第1弾となる福生市立第三中学校(福生三中)での模型展示・解説の模様をお届けいたします。

福生三中での展示、解説が行われたのは9月6日。8月が終わったばかりとは思えない、少し肌寒ささえ感じる雨の一日でした。福生三中は福生市の中央部に位置しています。福生市内に3箇所ある中学校の1つです。

福生三中正門

福生市立第三中学校の正門。
(Photo: © Junya Terazono)

展示は正門からかなり奥に位置する体育館で行われました。模型を収容できる場所としてはこのくらいの広さがなければ難しそうです。
体育館はかなり広く、模型もゆったりと収まっているようにみえますが、太陽電池パドルの大きさを考えると実物はそれなりに大きいという感じもします。

体育館での展示

福生三中の体育館に展示されたはやぶさ2の実物大の模型。体育館にもし探査機が入ったらどのくらいの大きさになるのかを実感できる。
Photo: © Junya Terazono

今回展示された模型は「武豊モデル」(たけとよモデル)と呼ばれるものです。愛知県武豊市の有志が作り上げた実物大模型です。特徴としては、もちろん実物大ということが第一に挙げられますが、なんといっても非常に精巧に作り上げられていることがいえるでしょう。細部まで成功に作り上げられた模型は見る人を本当に驚かせます。
「はやぶさ2」の実機を間近で見られる人というのはそう多くありません、というよりは関係者や報道関係者でない限りはなかなか少ないはずです。そんな中で、この模型は、「はやぶさ2」を目の前でみて、しかも直に知るためにまたとない機会を提供するものといえるでしょう。

また、この模型の特徴として、斜めに展示されているということがあります。特に、太陽電池パドルが横を向いていて、横側からみると太陽電池パドルの大きさを実感できたり、また下側に潜り込んで太陽電池パネルの裏側をのぞき込めたり、地面に近い側であれば太陽電池パネル1枚1枚(模型ですから実物の太陽電池ではありませんが)の様子をみることができる、といったことができるのも大きな特徴です。

体育館での展示

福生三中体育館での模型展示(もう少し近づいて角度を変えて撮影した様子)。撮影クルーは、この模型展示を取材に来ている多摩ケーブルネットワーク (TCN)の方々。ケーブルテレビの番組でこの様子が放送される予定。
Photo: © Junya Terazono

また、模型が精巧であることも特徴です。例えばイオンエンジン。光ります(もちろんイオンを吹くわけではありませんが)。それも、航行中の様子に近い形で点灯します。

模型のイオンエンジンを点灯させた様子

模型のイオンエンジンを点灯させた様子。このように、航行中の形で4基のうち3基が光っている。色も実物に非常に近い色にしている。
Photo: © Junya Terazono

この模型展示では、模型と一緒にはやぶさ2関連の様々なもの(もちろん模型ですが)が展示されています。これにより、はやぶさ2のミッション全体をより深く理解できます。学校での展示には最適というわけです。

 

リュウグウの模型

展示品の1つ、本物の2250分の1のリュウグウ模型。ミッションにおけるリュウグウのモデルを利用して作られている。実際のリュウグウ同様、表面が暗く作られている。
リュウグウのモデル: © JAXA/会津大学/神戸大学
Photo: © Junya Terazono

午後1時から、学年ごとの模型見学・解説が始まりました。1学年あたり2クラスを、片方を見学、片方を解説に分けた形で順に回っていく形です。
深津さんが模型の前でマイクを持って立ち、座っている生徒さんたちに解説をしていきます。模型が目の前にあるので解説がしやすい、また生徒さんたちにとっても理解しやすいという点はまさにこの実物大模型があってこそかと思います。

模型の前で解説する深津さん

模型の前で「はやぶさ2」についての解説を行う深津さん。ちなみに、手の先にあるのはスタートラッカー。
Photo: © Junya Terazono

 

遠くから見た模型展示の様子

遠くから見た模型展示の様子。生徒さんたちは模型の前に座って解説を聞き、その後後ろ側に展示されている展示物などを見学する(見学が先で解説があとのパターンもある)。
Photo: © Junya Terazono

模型展示のいいところは、何といっても大きさが目の前で実感できることでしょう。探査機の大きさというのはふだん生徒さんたちはピンときません。たとえ「はやぶさ2」を知っている生徒でも、その大きさはなかなかわからないものです。眼の前に模型があるとそれが一発でわかり、イメージしやすくなります。大体の生徒さんたちは思っていたより大きいと感じたようで、むしろ「はやぶさ2」を小さい探査機と思っている編集長(寺薗)にとってはこの点も新鮮な驚きでした。

イオンエンジンについて説明する深津氏

イオンエンジンについて説明する深津さん。模型でイオンエンジンが点灯しているとわかりやすいだけでなく、注目も浴びる。
Photo: © Junya Terazono

 

模型と展示物を見学する生徒たち

模型と展示物を見学している生徒たち。特に展示物に熱心に見入っている姿が印象的だった。
Photo: © Junya Terazono

生徒さんたちも模型や周囲の展示物を非常に熱心に見学していました。私も説明役として周囲に陣取っていましたが、最初は恥ずかしがってあまり聞かなかったりするのですが、誰かが質問すると一緒に聞いていたり、あるいは別の生徒さんが質問したりと、だんだん興味の度合いが高くなってくる様子が伺えたのが印象的でした。

解説の深津さんに一生懸命「はやぶさ2」や宇宙について質問している生徒さんや、レポートを後で出すのかと思いますが、渡された紙にびっしりとメモを書いている生徒さんたちなど、本当に熱心に模型を見学している姿に感激しました。と同時に、実物大の探査機の模型という、普段みられないものを間近でみることができることの教育の効果の大きさも改めて実感することができました。
やはり、絵やイラストでみている探査機と実際の形とは大きく違うようで(当たり前といえば当たり前なのでしょうけど)、しかも各部がどのようなものなのか、どのような目的で作られたものかを知ることができると、さらに探査機、あるいは宇宙についての興味・関心が高まるようでした。

模型の搬入・組み立て・搬出など、展示にご協力いただいた福生三中の先生方、どうもありがとうございました。