小惑星探査機ドーンが、約1年間にわたって探査を続けていた小惑星ベスタから離れました。探査機の運用を行っている NASAジェット推進研究所(JPL)のスタッフが、探査機がベスタの重力圏から離れたことを確認しています。現在、ドーンは2番めの目的地である準惑星ケレスへと飛行しています。
ベスタ離脱の公式時刻は、9月4日午後11時26分(アメリカ太平洋夏時間。日本時間では5日の午後3時26分)です。探査機からの通信によりベスタからの離脱を確認しています。
ドーンは2007年9月27日(アメリカ現地時間)に打ち上げられ、約4年間の飛行の後、2011年7月15日(同)に小惑星ベスタに到着、この天体の詳細な姿を地球に送ってきました。これらのデータから、科学者は、太陽系誕生当時の太陽系の姿を再現できるのではないかと期待しています。
ドーンは到着時と同様、ベスタからはらせんを描くように離脱しています。このままベスタを離れ、次の目的地ケレスへと到着するのは、2015年の早い時期となります。
ドーンのプロジェクトマネージャーであるJPLのロバート・メーズ氏は、「我々はこの1年間にわたる様々な発見に対して敬意をもってベスタへ別れを告げ、次のケレスへの冒険に期待を寄せている。そこにはさらに息を呑むような発見が待ち構えているかもしれない。」と述べています。