驚くべき、ただ、ある程度予想はされていたニュースが入ってきました。中国がこのほど、地球付近の小惑星である地球近傍小惑星の探査を実施するとのことです。

ブログ「ChinaSpaceFlight」、およびそれを元にしたスペースライターの松浦晋也さん(@ShinyaMatsuura)のツイートによりますと、この計画は以下のようになっています。
打ち上げは2022年3月17日、その後、最初の行程として、地球近傍小惑星アポフィスにランデブーします。到着は2023年3月18日、離脱は同じ年の10月24日です。
その後探査機は同じく地球近傍小惑星2002 EX11へフライバイ(2025年6月10日)、そして、同じく地球近傍小惑星である1999 FG3にランデブーします。到着は2027年1月1日、そしてこの小惑星には最終的に着陸する予定で、その予定日は、同じ年の6月30日となっています。

中国の小惑星探査計画

中国の小惑星探査計画を示すスライド (以下のChinaSpaceFlight.comより)

中国が、ついに「小惑星探査」というカードを切ってきました。
日本はご承知の通り、「はやぶさ」「はやぶさ2」と続く小惑星探査を実施しています。いわば日本のお家芸であり、おそらく将来にわたってもこのような小惑星へのサンプルリターンを日本の宇宙科学のメイン計画として立ててくることでしょう。また、サンプルリターン技術自体は、現在計画されている火星衛星からのサンプルリターンにも生かされる予定です。
アメリカでは、来年(2016年)に小惑星サンプルリターン探査機「オサイレス・レックス」が打ち上げ予定です。さらに、2023年には「小惑星イニシアチブ」の一環として、有人による小惑星探査が実施される計画になっています。今回の中国の計画が、まさに2022〜2023年になっているという点は、偶然なのかアメリカの計画を意識したものなのかは不明ですが、大変興味深いところです。
中国自身は、月探査機である「嫦娥2号」をそのまま深宇宙へと向かわせ、小惑星トータティスへのフライバイを行っています。いま考えれば、小惑星探査への布石だった可能性もあります。

いよいよ、小惑星探査も、日米対決から日本・アメリカ・中国が入り乱れる「戦国時代」の様相を呈するのでしょうか。注意してみていきたいと思います。

【おことわり】本記事については、新しい情報が入り次第、随時更新されます。ご了承下さい。

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