11月9日に打ち上げられたものの、地球周辺軌道から火星への軌道に乗ることができず、さらに交信も絶ってしまったロシアの火星探査機「フォボスグルント」と、中国の探査機「蛍火1号」ですが、ロシア当局は、懸命の交信復旧作業を続けています。しかし、いまもって交信回復には至っていません。marsdaily.comがノーボスチ通信の記事として伝えています。
ロシア宇宙局のダビドフ副長官が22日に語ったところによると、現時点ではまったく通信できておらず、そのため、探査機に何が起きているのかも把握できないとのことです。
ダビドフ副長官によると「ポイントは、フォボスグルント(及び蛍火1号)は飛行コースには乗っていたにもかかわらず、私たちが入手しているデータでは、何らかの異常が起きているようであるということだ。」とのことです。副長官は、探査機の制御システムは正常に動作しているようであるが、燃料漏れなどが発生した可能性があり、そのために高度を上げることができていない可能性を示唆しています。
また、ロシアの専門家は、これに先立って、今回のトラブルの原因は、フォボスグルント探査機の太陽電池を展開した際、これが抵抗になってしまって探査機の姿勢が乱れたためではないか、と述べています。
・marsdaily.comの記事 (英語)
http://www.marsdaily.com/reports/Russian_experts_baffled_by_erratic_behavior_of_Mars_probe_999.html
・フォボスグルント/蛍火1号 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/mars/exploration/future.html#PHOBOSSOIL