11月9日に打ち上げられて以降、通信途絶状態となっているロシアの火星探査機、フォボスグルントですが、このままでは来年1月にも地球に落下するおそれがあると、ロシア宇宙庁長官が述べています。spacemart.comが伝えています。
この記事によると、ウラジミール・ポポフキン長官は、探査機が失われたとは考えておらず、通信回復に向けた努力を12月まで続けると表明しています。通信が回復したら、修正した探査機の制御プログラムを送り込み、火星への軌道へと投入する方針です。
長官によると、現在の軌道(地球を周回する軌道)には来年1月まではとどまれるものの、火星への到達機会(打ち上げウィンドウ)は12月1日までとのことで、「可能性はあるが、いまもって探査機に何が起きたのかを知らせるような通信情報を受け取っていない。」と述べています。
もし探査機を火星軌道へと乗せることに失敗した場合、地球へ向けて落ちてくることになりますが、ポポフキン長官は、その場合でも探査機は大気圏内で燃え尽きるため、地上にいる人間に被害を及ぼすことはないだろうと述べています。
なお、ロシアのインターファックス通信は週末、匿名筋の情報として、「探査機は失われた」と考えられるとしています。
・spacemart.comの記事 (英語)
  http://www.spacemart.com/reports/Russia_Mars_probe_may_fall_to_Earth_in_January_official_999.html
・フォボスグルント/蛍火1号 (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/mars/exploration/future.html#PHOBOSSOIL