現在月を周回している中国の月探査機、嫦娥2号が、先日の月食を無事乗り切ったことが明らかになりました。
月食は月探査機にとって大きな危険を伴います。まず、地球の陰に長時間入ってしまうため、電力供給ができず、充電された電池だけで何時間も探査機を動作させる必要があります。太陽光が当たらないことから、探査機の温度は極端に冷えることになります。さらに、月食の時間中は、地球との通信ができなくなるため、何かトラブルが発生した際にも即時対応ができないという大きなリスクを伴います。
そのため、嫦娥2号の運用チームは、地球の陰になってしまう部分を最短時間で通過できるような軌道計画を立て、探査機への影響を最小限で済ませられるようにしたとのことです。
また、電池についてもフル充電を行い、一方では探査機の測定装置のうちいくつかの機器の電源を切ることによって、この月食を乗り切りました。
・人民網日本語版の記事
http://j.peopledaily.com.cn/95952/7240648.html
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/