まだ打ち上げられていない嫦娥2号ですが、既にその最終段階について、3つの案が検討されていると、新華社が報じています。
これによると、嫦娥2号の探査が終了した時点で

  1. 「かぐや」などと同様、延長探査を行った上で、最終的に月面へ落下させる。
  2. 衛星の軌道を変えて、深宇宙探査機とする。
  3. 地球トランスファー軌道に投入し、地球の衛星にする。

というもののようです。
特に3つめの方法はこれまでどこの国も行っていない方法であることから、実現の可能性はともかくとして興味深いものです。また、月から戻ってくるというのは、将来的なサンプルリターン(嫦娥4号)で計画されているだけに、その基礎実験としても可能性は高いでしょう。
2つめは、月探査衛星クレメンタインで構想されたことがありますが、実際にはクレメンタインは軌道上でエンジンを起動した時点で探査機が通信途絶したため、こちらも成功していません。
このいずれの方法になるかはわかりませんが、最終的には燃料の残り具合などを見ながら決めていくことになるとみられます。
・新華社の記事 (中国語)
  http://news.xinhuanet.com/mil/2010-10/01/c_12625397.htm
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/
※翻訳協力…葉月野