中国の新聞「中時電子網」は、中国が来年(2010年)10月に、次の探査機「嫦娥2号」を打ち上げるとともに、2012年頃までには、月面着陸機「嫦娥3号」を打ち上げると報じています。
嫦娥1号を設計した技術者葉培建氏は、中国の英字紙「中国日報」(China Daily)に対し、嫦娥2号はより先進的な機能を持つと語っています。特に、嫦娥2号は観測高度を100キロまで下げることで、より詳細な観測を行えるとしています。なお、この100キロという高度は、日本の月探査機「かぐや」や、インドの月探査機「チャンドラヤーン」と同じです。
なお中国は、今後宇宙ステーションや火星探査などを本格的に実施していく予定である、と、この記事は伝えています。
(編集長注)中国では、特に重要な宇宙計画の打ち上げはたいてい10月に実施されています。中国初の有人飛行を成し遂げた「神舟5号」の打ち上げは2003年10月、嫦娥1号の打ち上げは2007年10月でした。また今年は火星探査機「蛍火1号」の打ち上げも10月に予定されていましたが、こちらはロシア側のロケットの事情により延期されました。
10月は、中国は国の創立を祝う国慶節にあたり、愛国心が高揚する時期でもあります。この時期に衛星を打ち上げることで、国家の威信を高め、国の団結に結びつけようという意志が伺えます。また、嫦娥2号の打ち上げも、国家的に重要な行事であると位置づけられていることが伺えます。
・中國明年發射第2個月球探測器 (中時電子報: 中国語)
  http://tech.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/Inc/2007cti-news-Tech-inc/Tech-Content/0,4703,130509+132009112701120,00.html
・嫦娥 (月探査情報ステーション)
  http://moon.jaxa.jp/ja/history/Chang_e/