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メッセンジャー探査機のフライバイからすぐに、探査機から地球に向けて写真が送られてきました。その写真は受信から数時間でウェブへと掲載されました。人類がはじめて眼にする水星の表面という歴史的な写真だったわけです。
上の写真は、水星撮像システム(MDIS)の広角カメラが捉えた、「はじめて眼にする水星」領域のクローズアップ写真です。
写真の中央すぐ上から左にかけて、光条がきれいなクレーターがみえます。光条(レイ)とは、クレーターができるとき、衝撃で散らばった細かい物質が四散してできる筋状の模様で、小惑星などの物体が月や水星など、空気がない天体に衝突した際にできます。しかし、この光条は、小さな宇宙のちりや太陽風などの微粒子の影響を受けて、次第に薄くなり、結果的に表面がだんだん暗くなってきます(このような現象を「宇宙風化」と呼びます)。このクレーターで光条がはっきりとみえているということは、このクレーターを作った衝突が比較的最近になって起きたことを意味しています。
この写真では6キロメートルの地形を識別できます。
・写真のページ
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=141