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メッセンジャーが撮影した画像の中に、水星表面に伸びる長い崖が写っているのが発見されました。この写真は水星の表面でもはじめて撮影された場所ですが、大きな崖が写真の上下に走っているのがわかります。この崖、実は先日公開した写真の崖がそのまま北に伸びているものなのです。この写真の幅は約200キロメートル、崖の長さは数百キロメートルにも及ぶとみられています。
このような長く高い崖があることは、マリナー10号による観測で明らかになりました。このことは、水星が太陽系の他の天体と全く違う進化の過程をたどってきたことを示しています。この大きな崖は、水星の内部が冷えて惑星全体が収縮する際にできたと考えられています。しかし、マリナー10号で捉えられた水星表面は、全体の半分にも満たない領域です。このような崖が水星全体でどのように分布しているのかはまだ知られていません。メッセンジャー探査機が撮影した水星の高解像度画像によって、科学者たちはこのような崖が水星表面にまんべんなく分布しているかどうかを一生懸命調べています。
・写真のページ
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=140