上の画像は、水星撮像システム(MDIS)の狭角カメラがとらえた、マティス・クレーターの写真です。このマティスは、フランスの芸術家アンリ・マティス (Henri Matisse) からとられた名前です。直径は約210キロメートルあります。マティス・クレーターは南半球にあり、水星の明暗線(昼と夜の境目)の近くにみえます。
水星のクレーターには、人間性に貢献した人の名前がつけられます。例えば芸術家や音楽家、画家や作家などです(注: これは、水星が「マーキュリー」であり、マーキュリーが芸術の神様であることにちなむものです)。この惑星の地名を管理しているのは国際天文学連合(IAU: International Astronomical Union)で、水星を含め、太陽系の天体の地名をすべて管理しています。名前がついていない地形を調べたり地図に表した研究者は、IAUに名前を提案する権利があります。今回メッセンジャー探査機が撮影した1213枚の写真は、これまで観測されていない領域を広くカバーしており、クレーターをはじめとするたくさんの地形に名前をつける必要が出てきそうです。
・写真のページ
http://messenger.jhuapl.edu/gallery/sciencePhotos/image.php?gallery_id=2&image_id=134