中国の月探査の専門家でもあり、現在の月探査「嫦娥計画」(とりわけ、嫦娥1号)の総指揮者でもある葉培建氏が、中国は2030年までに月面への有人着陸を実施する」という見解を表明しました。中国新聞網の報道を引用する形で、人民網日本語版が伝えています。
記事中では、また火星探査について、次の火星探査の好機である2013年までに中国が独自の火星探査機を実現することは難しいものの、その次の好機である2015年には実現するであろうとの見方を示しています。
※編集長注…中国の火星探査は、今年11月に、初の火星探査機である「蛍火1号」が打ち上げられる予定になっています。但し、打ち上げはロシアの「フォボスグルント」に相乗りする形で行われます。しかも、この蛍火1号は、本来2009年打ち上げ予定だったものが、ロシア側の都合(探査機の打ち上げ準備が十分ではないという理由)で2年延期ということになってしまっています。
ここのところ、中国は火星探査にも比較的熱心になってきています。これまでは2013年には独自の(ロケットによる)探査機を打ち上げる予定であるという情報が多かったのですが、今回の葉氏の発言は、多少その予定が遅れる可能性があることを示唆しています。
これが、技術開発の遅れを意味しているのか、月探査(同時期には嫦娥3〜4号の実施が計画されています)や宇宙ステーション「天宮」の開発に注力するために火星探査の優先度が下げられたためなのかは不明です。
・人民網日本語版の記事
  http://j.people.com.cn/95952/7440663.html