その1
2011年6月13日(=「はやぶさ」帰還1周年)から10月10日までの約4ヶ月間、東京・有楽町の東京国際フォーラム内に、「はやぶさi」という施設がオープンしていました。
「はやぶさi」は、「はやぶさ」の成果を発信する情報発信施設として、時間限定、完全民間ベースで作られた施設です。その名前に、いまはなきJAXAiを重ね合わせた人も多いと思います。
はやぶさiは小さな空間ではありましたが、そこには「はやぶさ」の探査を振り返ることができる数多くの展示品や貴重な情報などが展示されていました。ここでは、6月13日のオープン当日の写真を中心に、その施設の様子を振り返ってみることにしましょう。
6月。新緑がまぶしい、東京国際フォーラムの入り口です。しかし、ここからではどこに「はやぶさi」があるのか、よくわかりません。まぁ、それほど目立つようには作っていないわけですが、ともかくもこの入り口から国際フォーラムの中へと入っていきましょう。 |
やがて東京国際フォーラムの広い通りを歩いて行くと、左側(有楽町側から来た場合)に、何ともびっくりするような巨大な絵が見えてきます。もちろん、わかる人にはわかりますね。小惑星イトカワに接近する「はやぶさ」。これが、「はやぶさi」の目印です。ここはアートプリントジャパンさんが運営するフォーラムアートセンターというお店で、その一角を借りて運営しているのです。 |
JAXAiの、いわばアンチテーゼのような形で、「はやぶさi」の運営は全て企業からの協賛金でまかなわれています。いちばん存在感が大きかったのは、10月1日公開の映画「はやぶさ」(20世紀FOX)ですが、その他にも宇宙関係の多くの企業、そして宇宙関係とはあまり考えられない企業さんもスポンサーに入って下さっています。そう、ここは「はやぶさ」をキーにした異業種コラボレーションの場でもあったりします。 |
入口を入った入場者をまずお出迎えするのは、この「はやぶさi」のために特別に製作された、精密な「はやぶさ」の模型です。全体の40パーセントに縮小されてはいますが、それでもその大きさはみる人をあっと言わせるのに十分な迫力があります。 |
別角度からの模型です。金色の膜がライトアップされていて、さらに衛星を引き立てています。この膜は、宇部興産さん(スポンサーでもあります)から提供された、実際の衛星に使われるものと同じフィルムです。 |
「はやぶさi」の中でいちばん大きな割合を占めているのは、10月1日に公開された映画「はやぶさ」のコーナーです。この大きなパネルは、映画に出てくるキャストと、実在の人物との対比です。誰のモデルが誰なのかを一目で知ることができます。 |
パネルの脇には、映画撮影の際に使われた小道具が展示されています。手前は、管制室に飾られていた設定のお札(実際、管制室にはお札が飾られています)。奥の方に並んでいるのは、俳優、女優さんたちが映画撮影の際に着用していたJAXAの身分証明書です。 |
私自身、かつてJAXA職員であったこともありますので、このような身分証明書を首から下げて歩いていました。映画の中でも職員はほとんどの人がこの身分証を首から下げていますが、本当に本物そっくりです(さらにいえば、その当時の身分証という形で細かく作られています)。JAXA全面協力でなければできない、ということもいえますね。 |
左側は、小惑星イトカワの模型。右側はイオンエンジンの模型です。後の方では、何かの撮影のためにカメラを回しているクルーの姿も見えます。 |