世界の月・惑星科学に関係した学会の中で、最も大きく、また権威のある学会といえば、この月惑星科学会議です。毎年3月、アメリカ・テキサス州のヒューストンで開催されます。当初はアポロ計画の成果を発表し合う場として設置され、現在では世界中の月・惑星探査計画の結果や将来構想を発表し、議論する場となっています。
昨年まではヒューストンの南、リーグシティというところの会議場で開催されていたのですが、会の規模がふくれあがり、場所が手狭となったことから、今年は大きく場所を変えて、ヒューストンの北にあるザ・ウッドランズ(The Woodlands)というところの会議場で開催されることになりました。
第40回という節目の会議。その様子を誌上レポートすることにします。
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第39回月惑星科学会議
今回の会場の正面。前に止まっているのは、会場周辺のホテルを回る参加者用の循環バス。このバスの大きさからも、今回の参加者がいかに多いか、というのがおわかりかと思います。ザ・ウッドランズは、ヒューストン中心部から北へ約30キロ離れたところにあります。 |
こちらが会場の入口の看板。会場はザ・ウッドランズの中心部にある「マリオット・ホテルズ・アンド・コンベンション・センター」というところです。その名の通り、ホテルと会議場が一緒になった大きな建物です。会場の周囲には多数のホテルや大きなモール(ショッピングセンター)、コンサートを行える広場などもあります。 |
建物の2階が会場です。といっても、1階が非常に高さがあるため、実質的には4階くらいの高さがあります。たくさんの人が入っているのに、それほど混んだ感じがしないのは、さすがに会場が大きいためでしょうか。 |
火曜日には、月探査に関する総合セッションが、まる1日をかけて開催されました。これはその開始前の風景。午前はインドの探査機チャンドラヤーン、午後は「かぐや」のセッションです。 |
会場が昨年に比べてすごく広くなったのがおわかりかと思います。その分「立ち見」が減ってちょっとわくわく感が減った感じですが、ゆったりとセッションに出席できるようになったのはいいことです。 |
今年も、セッションが行われる部屋の前では、最新の「かぐや」ハイビジョン映像が上映されていました。参加者が興味深げに眺めているのがおわかりかと思います。特に「満地球の出」などには、歓声が上がっていました。ネットでみられるとはいってもやっぱり大きな映像でみるとひと味違うようです。 |
セッションとセッションの合間では、研究者同士で議論を行ったり、久々の再開を喜び合う風景が見受けられました。これが学会のいいところですよね。この写真は昼休みの一こま。ただし、今回は昼休みもつぶして別の会議が開かれたので、私(寺薗)は朝8時半から夕方5時まで部屋にほぼ缶詰でした。 |
会場を一歩出たところを撮影してみます。こんなふうに、周囲にはしゃれたお店や飲食店が並んでいて、歩くのも楽しいところです…でも、セッションの時間を気にしながらで、参加者にはもっぱらファーストフードが人気でした。 |
今年は、ポスターセッションの会場も大幅に大きくなりました。先ほどの口頭発表の会場の下、1階の大きな部屋が割り当てられました。これは入口正面に設けられた、企業展示のスペース。昨年まではフィットネスジムの部屋を使っていましたから、その大きさの違いがわかります。 |
その一角で、月探査情報ステーションについても発表を行いました。初の海外デビューです。こういった学会では、研究だけではなくその成果の教育や広報・普及についてのセッションが必ず設けられています。今回も多くの方が訪れて、アクセス数やユーザの興味など、様々な質問などをしていきました。 |
会場が広くなった、といっても、参加者も増えているので、ピークの時間帯になると通路にびっしりと参加者があふれることにはなります。ポスターセッションの基本時間帯は夜の6時半から9時半まで。3時間あるので十分かと思いきや、あちこちで議論を重ねると、あっという間に時間がなくなってしまいます。 |
昨年もそうでしたが、議論のためには、やはり燃料が必要です。夜のセッションということもありまして、ビールはやはり大人気でありました。写真手前に置いてあるのは、すでに飲み干されたビール(さらにその脇には、ビールびんだらけのゴミ箱があります)。 |