政府の宇宙戦略本部の下で、今後の日本の月探査に関する方向性などを議論してきた月探査懇談会は、このほど報告書をまとめ、発表しました。
この報告書では、月探査の目的として、
- 太陽系探査のための宇宙技術を自ら確立
- 世界トップレベルの月の科学を一層発展
- 国際的プレゼンスの確立
という3つの要素を大きく打ち出しています。その上で、日本が目指す月探査の目標として、
- 2015年に、無人による月面着陸探査を行う。この探査では、再生可能なエネルギーのみによって越夜(月面の夜を越すこと。月面では夜は14日続く)を実施する(実現すれば世界初)。また、地震計による内部構造探査を実施するほか、ハイビジョン映像の配信を行う。
- 2015年の探査をもとに、2020年に月の南極域のロボット探査を行う。ここでは月の南極地域に着陸し、月面基地(無人)を構築すると共に、地震計などによる内部構造探査を行う。その上でサンプルを採取し、地球へ持ち帰る(サンプルリターン)。
という2つの探査を挙げています。なお、これらの探査案の詳細については、下記リンクの報告書をご覧下さい。
現在、宇宙戦略本部では、この報告書に関する意見(パブリックコメント)を郵送または電子メールで募集しています(6月17日まで)。また、ここで提示されたロボット月探査計画についての愛称も募集しています。ちなみに、月探査懇談会では、
- かぐやひめ計画
- まほろば計画
- まほろばプラス計画
- 竹取物語計画
- たけとり計画
- うさぎ姫計画
- ラビット計画
- 月・ふろんてぃあ計画
- もちづき計画
- ちゃれんじ2020計画
といった名前が提案されたそうです。
・「月探査に関する懇談会 報告書(案)」に対する意見、及び「ロボット月探査の計画の愛称」の募集について (内閣府宇宙開発戦略本部)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/tukitansa/bosyu.html
・我が国の月探査戦略(案) (月探査に関する懇談会) [PDFファイル]
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/tukitansa/houkokuan.pdf
・日本の月探査 (月探査情報ステーション)
https://moonstation.jp/ja/moonexp/