故障が発生し、セーフモードという状態に陥っている冥王星探査機ニューホライズンズですが、NASAは先ほど、一両日中(NASAの発表では7日…日本時間では8日になるかも知れません)には通常の科学観測が可能になると発表しました。

先のブログの記事でもお知らせした通り、ニューホライズンズは4日(アメリカ東部夏時間。日本時間では5日)に異常が発生し、セーフモードという、探査機の最低限の機能を維持するという状態に陥りました。
原因究明の結果、探査機のハードウェア、ソフトウェアどちらにも障害が起きていないことが確認されました。原因として推定されるのは、探査機の冥王星最接近に備えたプログラムの中で、何らかのタイミングの間違いが発生した可能性が高いとみられますが、根本的な故障原因の究明は難しいと思われます。

NASAの惑星探査担当理事であるジム・グリーン氏は、「ミッションチームが迅速に原因を究明し、探査機の安全を確保したことは喜ばしいことである。いよいよ冥王星が目の前となり、探査機はもう少しで通常運用に戻れる。そして、大きな成果をつかもうとしている。」と述べています。

現在、7月7日(アメリカ東部夏時間)には科学観測を復活できるように準備が進められています。また、フライバイの際の動作についても通常通り実施する予定です。また、本探査の科学チームおよび主任科学者(アラン・スターン氏)は、探査機が異常に陥っていた間に行えなかった科学観測については探査目的の達成には重大な影響を与えるものではないとしています。アラン・スターン氏は、「いってみれば、A+の成績をAにするほどのこともありません。」と述べています。

現在、ニューホライズンズ探査機は地球から50億キロも離れたところを飛行しています。これだけの距離では、世の中でもっとも早い光の速度をもってしても、探査機まで地球から4時間半もかかってしまいます。往復では9時間。この距離が回復の障害となっているのですが、ミッションチームはこの困難にもめげず回復作業を続けています。続報に期待しましょう。