各種報道によりますと、ドイツが2015年までに無人月着陸探査を実施するという方針の模様です。
ドイツ経済省のペーター・ヒンツェ副大臣は、ドイツのテレビ局ZDFのインタビューに答え、ドイツが月着陸探査の準備を行っていると語りました。「2010年代、おそらく2015年あたりに実施するだろう。他のヨーロッパ諸国やアメリカとも協力していきたい。」
この計画実施にかかる費用は今後5年間で15億ユーロ(約2100億円)と見積もられており、政府は工業界に対し、新しいテクノロジーの創出を期待しているとヒンツェ副大臣は述べています。また、大臣は「コストに見合う投資ではあるが、まだこれだけの資金は準備できていない」とも語っています。
なお前のドイツ指導者によれば、このような大きなプロジェクトの実施を決めるのは次の政府になるとのことです。ドイツは9月27日に総選挙を控えており、現在のところ、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU。ヒンツェ副大臣は党高官)が野党に対して大幅に優位に立っています。
【編集長注】ドイツは最近になって、月探査構想を提案してきています。ここ1〜2年で提案されているものはLEO計画と呼ばれており、周回機による月探査となっています。ただ、上記記事には着陸計画が言及されているため、このLEO計画(の発展系)なのか、また別の計画なのか、詳細は不明です。
ヨーロッパでは他にも、イギリスがムーンライト計画(MoonLITE)と呼ばれる、月にペネトレータを打ち込む内部・表層探査計画を計画しています。
これらの計画については、情報が集まり次第、月探査情報ステーションの「トピックス 世界の月探査」にてご紹介する予定です。
・ロイターの記事(英語)
http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSTRE57B1K620090812
・ドイツZDFのニュース (ドイツ語)
http://www.heute.de/ZDFheute/inhalt/17/0,3672,7614385,00.html