2020年、NASAは月に戻ろうとしています。その時NASAは6ヶ月かそれ以上のミッションとして月表面を数千マイルに渡って調査する予定です。アポロ計画と同じように、NASAはそのための新しいコンセプトと技術を-そのコンセプトと技術は地球上でも使えるはず-を開発しています。
NASAの現在のプランの1つのコンセプトは月面電動ローバです。この小さな与圧型ローバはピックアップトラックほど(車輪は12個)で、寝室と衛生設備が備えられており2人の宇宙飛行士が14日間過ごすことができます。そのローバは岩を乗り越え、40度の斜面を登り数千マイルの移動ができ、設計寿命の10年の間、ほとんどメンテナンスを行わなくても良いように設計されています。そのローバのフレームはオフロードトラックチームとの共同で開発され、岩石地帯で140kmにわたる走行試験を行ってきました。
コクピット内では跪くことができるようになっているため、外に出なくても興味がある物体に容易に近づくことができます。ローバのホイールは横向きにすることができるので「カニ歩き」が可能で、険しい地形でも走ることができるようになっています。このカニ歩きスタイルによってローバは回転半径ほとんどゼロで直進と横移動を組み合わせてどんなな走行でも可能です。
宇宙飛行士達はローバのキャビンの中でワイシャツ姿で働くことができ、いつでも、またミッションの要求があれば直ちにスーツポートから宇宙服に入ることができます。このスーツポートはローバの後部の隔壁に取り付けられており、外側にある宇宙服と繋がっています。このため10分以内に月面を歩くことができ、月ダストをローバ内に持ち込むことも防ぐことができます。キャビンをどければ、シャーシだけでも宇宙服を着たまま運転できるようになっているので、荷物運搬用として使うことができます。長期間にわたる冗長性と再利用性、耐久性も高いものです。
・NASAの記事 (英文)
http://www.nasa.gov/exploration/home/LER.html