あなたが月について不思議に思うことはどんなことでしょうか?

私たちが知っている、月に関する事実は限られたものです。
そのために、今でも、月には手持ちの事実からだけでは説明のできない、数多くの謎が残されています。
これらのなかから、主だったものをいくつかご紹介しましょう。

大きさの謎 月は、他の惑星と衛星の大きさの関係と比較すると、地球の衛星としては不釣り合いなほど大きく、また地球サイズの惑星が衛星を持っていること自体が不自然です。
月は地球の4分の1の大きさがありますが、火星の2つの衛星は火星の100分の1以下しかありません。
また、地球と大きさがよく似ている金星には衛星がありません。
内部構造の謎 月の内部も、地球と同じような構造をしているのでしょうか?
特に、月に地球のような金属でできたコアがあるかどうか、まだわかっていません。
また、あるとしてもどのくらいの大きさなのか、推定値もさまざまに分かれていて、定説がないのが現状です。
磁場の謎 地球上では方位磁石のN極が北を、S極が南を指します。これは、地球に磁場があるためなのですが、月はどうなのでしょうか?
アポロ計画によって持ち帰られた月の石を調べると、月にはかつて磁場があったことがわかります。
しかし、現在の月には磁場がありません。
かつて存在した磁場の強さは、現在の地球の磁場をも上回ると考えられていますが、その磁場を発生させたメカニズムや、磁場が消滅した理由など、 未だ解明されていません。
表裏の違いの謎 月は表側と裏側に分かれています。
この両者は、見た目の違いだけではなく、地下構造からしてはっきりと違うことが、最近の探査でわかりつつあります。この違いがどのようにして生まれたのか、今後の探査による解明が待たれています。
また、表側を特徴づける月の「海」がどのようにしてできたのか、より精密な調査が必要でしょう。
マグマの海の謎 月の岩石成分の研究から、月の誕生当時に、マグマオーシャンと呼ばれる溶岩の海が存在していたと考えられています。
しかし、本当にマグマオーシャンが存在したかどうか、また、存在していたとしたらどのくらいの規模だったのか、詳しいことはわかっていないのです。

ここに挙げた他にもまだ、数多くの謎があります。
これらの謎を解明しなければ、真の「月の起源」を明らかにすることはできないのです。


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