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人間が月に住むときに最大の問題となりそうな点を考えるために,まず月に住むためにはどんなところに住んだら良いかということから考えてみましょう。

まず月には大気がないため,宇宙からの放射線がそのまま降り注いできます。
これは人が暮らすためには非常に有害なものとなります。また月の赤道のあたりでは、温度は月の昼間で約120度までも上昇し,逆に夜は約マイナス170度までも下がります。この放射線と昼間の暑さ,夜の寒さを避けるために,月では地下に住むことによってその影響を防ぐことが提案されています。
建物を造るための材料は,月の砂の中に鉄,アルミニウム,ケイ素が含まれていますので,これらをうまく取り出すことによって利用することができます。

月には空気がありませんから、呼吸ができるようにしなければなりません。地球上では、人は大気の中にある酸素を呼吸しながら生活しています。月には大気がないために酸素を作り出す必要があります。酸素は酸化鉄などの酸化物の形で月の砂の中に大量に含まれています。これを利用して酸素を作り出すことが考えられています。

住むところを作り、呼吸できるようになったら次は何が必要でしょうか? エネルギーは太陽の光から得ることができますので,おそらく次は人が生活するのに必要な水と食べ物が必要になるでしょう。

人が体を維持していくのに必要な水は約3リットルと言われています。その他に体を洗ったりするためにもまた水が必要になります。
月の極地方には氷があるといわれていますが,その含有量は数パーセントと非常に低く,この氷を溶かして水を取り出すことは非常に難しいと思われます。
そのため,水だけは地球上から運ぶか,または水素だけを地球上から運んで月の砂に大量に含まれている酸素と化合させて水を作り出すことが必要になるでしょう。
食べ物については、人が住める環境であれば、温室のような設備を使って、野菜など栽培はできると思われます。ただ牛や豚などの育成は大変かもしれません。いずれにしても月面基地で完全に食料を自給するには長い時間がかかるでしょうから、当分の間は,食料の多くは地球から運ぶことになると思われます。

このように見てくると,やはり月での暮らしではまず水が不足していると思われます。


将来の月面基地の想像図。月面基地や天文台、輸送装置などがみえる。
(イラスト: 宇宙開発事業団)