宇宙資源とは、地球以外に存在し、人類がその活動のために利用できるもののことをいいます。

日本語版ウィキペディアをみますと、「資源」の項の冒頭には、「人間の生活や産業等の諸活動の為に利用可能なものをいう。」とあります。人類が生活していくため、あるいはより便利な生活のために産業活動を行う際に利用できるものが、資源です。
この資源のうち、地球外、すなわち宇宙空間に存在するものが資源です。典型的な資源は、月や小惑星、火星などにある様々な物質が該当します。

資源というと、私たちは石炭や石油、あるいは金属などをまっさきに思い浮かべるでしょう。しかし、資源はそれだけではありません。例えば太陽光などのエネルギー、月や火星などの広大な利用可能な土地なども資源です。さらには「観光資源」というように、特定の目的に役立つものを総称して資源と称することもあります。将来、宇宙空間における観光産業が成り立つようになったときには、そのような観光にとって役立つものを「宇宙観光資源」と呼ぶようになるでしょう。

資源は人間の生活に役立つことが重要で、それが多いか少ないかは問いません。
例えば水は地球上には豊富に存在し、それを資源として意識して珍重するということはまずありません。しかし月においては水は貴重であり、月面に存在する水は重要な資源と考えられています。
逆に、地球ではわずかしか存在しないレアメタルと呼ばれる金属も、小惑星には豊富に存在すると考えられており、宇宙資源の重要な探索対象となっています。

宇宙資源の利用方法はいろいろと考えられますが、大まかには3つに分けられます。
1つめは、宇宙資源を採掘し、地球へ持ち帰り、地球上で利用するもの。
2つめは、宇宙資源を採掘し、その場で利用するもの(例えば月の水を現地で利用するもの。「その場利用」とも呼ばれる)。
3つめは、宇宙資源を採掘し、別の宇宙空間で利用するもの(例えば、小惑星の水を月で利用するような形)。
このうち1つめの「地球へ持ち帰る」形態については、宇宙からの輸送コストが現状では非常に効果なため、実現にはまだまだ時間がかかると考えられています。ただ逆に、輸送コストさえ低下すれば実現可能なことから、将来的な利用を見越した研究開発が続けられています。
現在の宇宙資源利用は、2つめの「その場利用」、3つめの「宇宙空間での利用」が考えられており、特にその場利用が最も研究が進んでいます。

月探査情報ステーションの「宇宙資源」のページでは、いろいろと考えられる宇宙資源のうち、以下のものに限定してご紹介することにします。

  • 水など、人類の生存に必要となるもの
  • 金属資源(アルミニウム、鉄、レアメタルなど)
  • 土などの複合的な材料

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