カッシーニには、その大きなサイズを活かして、合計12の観測装置が搭載されています。
観測内容も、一般的な画像観測から大気観測まで、土星やその衛星の探査ののありとあらゆる場面を想定した内容となっています。

■複合赤外線スペクトロメーター (CIS: Composite Infrared Spectrometer)
土星の大気や輪、表面から放射される赤外線を測定します。
大気を持つ土星本体及びタイタンについては、大気の垂直方向の組成及び温度の断面図を作成します。また、土星の輪や衛星の組成などの情報を得るためにも使われます。
この装置は3つの光学干渉計から構成されており、7〜1000マイクロメートル、すなわち中間赤外線・遠赤外線領域の光を観測することが可能です。干渉計にはそれぞれ、光を2つに分割するビームスプリッターが搭載され、1つは動く鏡で反射され、もう1つは固定の鏡で反射され、最終的に合成されます。鏡が動くことによって波長ごとに光が強め合ったり弱め合ったりすることにより、インターフェログラムという合成波形を作ることができます。この波形を観測することで温度や組成を知ることが可能です。

■撮像システム (ISS: Imaging Science Subsystem)
カッシーニの心臓部ともいえる、撮像のためのカメラです。土星の本体や輪、衛星を撮影します。土星やタイタンの大気の様子を知ると共に、土星の輪とその本体との相互作用、土星の衛星の詳細観測などを目的としています。カメラは広い領域を撮影することができる広角カメラと、狭い領域を高解像度で撮影する狭角カメラの2種類が搭載されています。2つのカメラを使い分けることで、広い範囲を一度に撮影して全体の様子を知ることもできますし、そこでわかったことを更に詳しく知るために狭角カメラを使う、ということも可能です。
また、このカメラは特定の星を撮影することにより、カッシーニが正しい軌道を飛行しているということを知るための「光学航法用カメラ」としても使われます。

■紫外線撮像スペクトロメーター (UIS: Ultraviolet Imaging Spectrograph)

■可視光・赤外マッピングスペクトロメーター (VIMS: Visible and Infrared Mapping Spectrometer)
可視光線及び赤外線領域のスペクトルを取得することで、土星の輪や土星本体の大気、衛星などの表面の組成を探るための装置です。装置は2つのスペクトロメーターからなり、対象となる物体からの光を分光して分析することで、表面の組成・温度・構造などもわかります。
このスペクトロメーターで分析可能な波長域は、紫外線波長域に近い0.35マイクロメートルから中間赤外線領域の5.1マイクロメートルにまで及び、この間を352個の波長域に分けて観測することができます。

■撮像レーダー (CS: Cassini Radar)

■電波科学 (RS: Radio Science)

■プラズマスペクトロメーター (CPS: Cassini Plasma Spectrometer)

■宇宙塵分析器 (Cosmic Dust Analyzer)

■イオン・中性ガス質量分析計 (INMS: Ion and Neutral Mass Spectrometer)
陽イオン及び中性原子の量を測定するための装置で、土星の上層大気やタイタンの大気、土星の磁気圏、さらには土星の氷衛星や輪などでこれらの量の測定を行います。この装置により、ガスや揮発性物質の組成や元素組成、同位体組成などを知ることが可能です。

■磁力計
■磁力撮像装置
■電波・プラズマ波科学測定装置