ヤオキ (YAOKI)
ヤオキは、日本の株式会社ダイモンが開発した、超小型月面ローバーです。2022年に打ち上げられる予定のNASAの第1回商業月輸送ミッション(CLPS 1)により、月面へ運ばれる予定です。
ヤオキの特徴は、なんといってもその小ささです。大きさは15センチメートル四方ほど。手のひらに乗るくらいのサイズです。重さは498グラム。キャベツ半分よりも軽い重さです。
これだけの小型な機体にカメラを内蔵し、月面を走行しながら写真を撮り、月面の様子を撮影し、地球に送ることができます。
ヤオキのもう一つの大きな特徴は、その頑丈さです。
ヤオキという名前が「七転び八起き」から来ている通り、ヤオキは転倒に強い構造をしています。両脇の大きな車輪と、後ろに伸びた形が安定性に貢献し、月面の小さな石や窪みなどは簡単に乗り越えられるようになっています。
さらに落下の衝撃にも強い構造でもあります。100Gの衝撃(自身の重量の100倍)にも耐えることができますので、例えば月面の縦穴へ落下させても壊れないほどの耐久性を誇ります。
小型であることから、打ち上げの費用が安いというメリットもあります。
重量は打ち上げのための費用に直結します。現在(2022年半ば)には、月までの輸送費は概算で「1キログラム=1億円」となっています。将来技術革新に伴ってこの費用が安くなったとしても、軽ければ軽いほど打ち上げのための費用が安くなることに変わりありません。
小型であるために、たくさん持っていくことが可能です。
将来的には、ヤオキが月面でネットワークを組んだり、大量のヤオキが探査困難地域に放たれ、生き延びたものだけが探査を続けていく、といったような、これまで考えられなかった月面探査が可能となります。
まずは2022年の打ち上げにより技術を実証し、その後のアルテミス計画での有人月探査、さらにはその先に控える月の有人探査において、月面探査に使われることが期待されます。
- ヤオキ (株式会社ダイモン)
https://dymon.co.jp/yaoki/ - リポDスペースプロジェクト「Hello, Challengers」インタビュー企画 第17回 中島紳一郎様
※ヤオキ開発者の中島紳一郎さんに、月探査情報ステーション編集長(寺薗)がインタビューしています。
https://brand.taisho.co.jp/lipovitan/lipod/space/special/challenger17.html