地球儀、月球儀、惑星儀の製作で知られる地球儀製作会社、渡辺教具製作所さんが、このほど「KAGUYA月面図」の販売を開始しました。

KAGUYA月面図

KAGUYA月面図 (写真: 渡辺教具製作所)

「かぐや」は、2007年9月に打ち上げられた、日本の大型月探査衛星です。世界の探査機に比べても高性能の探査装置を数多く搭載し、2009年6月に探査を終了するまで、月の地形や鉱物、地下の様子などを調べ、数多くの発見をもたらしました。海外でもこの探査への評価が高いことは、月探査情報ステーションをご覧の方はもうご存知かと思います。

今回は、「かぐや」に搭載された高精度カメラである地形カメラと、月の表面の高度(高低差)を測定するレーザ高度計の2つの科学機器のデータを元に、月の地形を強調する形での月面図となっています。
従って、皆さんがイメージする「黄色い月」ではありませんが、これが今の科学で明らかになった、最新の月の姿といえるでしょう。

地図には、日本語とラテン語で併記された月面の地名のほか、アポロ着陸点(11号から17号。13号は着陸していません)、「かぐや」探査で新たに発見された月面の縦穴も記されています。この縦穴はまさに「かぐや」による世界に誇る発見といえ、将来の月面基地などにつながる重要な成果といえましょう。
また、この図では「秤動(ひょうどう)ゾーン」という領域も図示しています。月は表側しか私たちには姿を見せないとはよくいいますが、実際には、月自身が自転による若干の首振り運動(これを秤動といいます)を行うため、裏側に相当する部分も一部みることができる場合があります(全体の59パーセントを地球からみることができるそうです)。この領域も月面図に記されているため、観測を行う際の下調べなどにも最適といえましょう。
地図は「かぐや」のハイビジョンカメラも担当した白尾元理さんが監修。画像は東海大学情報技術センターが担当しており、非常に質が高いものとなっています。

定価は1500円(税込みで1620円)。クリアケースに入っていますので持ち運びにも便利で、雨や水に濡れても安全です。下の渡辺教具製作所さんのページから、オンラインにてお買い求めが可能です。
これからの天体観測のシーズン、地図を見ながら月を眺めてみてはいかがでしょうか。

なお、渡辺教具製作所さんは、月探査情報ステーションのスポンサーです。