その強烈な解像度で、アポロ着陸点でかつてのアポロ探査機の痕跡などを撮影してきたルナー・リコネサンス・オービター(LRO)ですが、今度は、旧ソ連のルナ探査機で打ち上げられた月面ローバー(ルノホート)を捉えることに成功しました。
今回、LROのカメラが捉えたのは、1970年11月に着陸した旧ソ連の探査機、ルナ17号が運んでいった、ルノホート1号と呼ばれる月面ローバーです。このローバーは無人ですが、月面上を約10キロほど動き回りました。降りた場所は「雨の海」と呼ばれる地点です。
下の写真は、LROが捉えた、ルノホート1号の写真です。

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このローバーは、太陽電池を動力として動き、夜間は内蔵のポロニウム210を使用した原子力電池で暖まりながら活動を続けました。
下の写真は、このルノホート1号を拡大した写真です。

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さらにその2年後、1973年の1月に、旧ソ連はルナ23号を打ち上げ、この探査機には改良版の月面ローバー、ルノホート2号が搭載されていました。このローバーは1号と同様、昼は動き、夜は暖まりながら休むという動作を繰り返し、およそ4ヶ月にわたって活動を続けました。ただ、探査そのものは計画よりも短い期間で終わってしまいましたが、どうもこれはローバー自体が「オーバーヒート」してしまったためとみられています。
このルノホート2号も、LROでは捉えられていました。左下の写真はローバー部分を4倍に拡大したものです。

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・LROCのページ (英語)
  http://lroc.sese.asu.edu/news/index.php?/archives/198-Soviet-Union-Lunar-Rovers.html#extended
・ルナ探査機 (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/luna.html
・ルナー・リコネサンス・オービター (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/LRO/