6月19日に打ち上げられ、現在月スイングバイのあとの軌道にいる月探査機エルクロスを、カナダのアマチュア天文家、ポール・モートフィールド氏が撮影することに成功しました。撮影は6月29日に行われたとのことです。
アマチュア用の望遠鏡を使って銀河を撮影しようとしていたところ、見事にLCROSSが捉えられたということです。

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この写真は、遠隔操作されている16インチ(約40センチ)の望遠鏡を使って撮影されています。LCROSSは地球から48万キロ離れたところを飛行しています。
LCROSSは、ルナー・リコネサンス・オービター (LRO)と共に、6月19日に打ち上げられました。LCROSSは10月9日、月の南極付近に激突する予定になっています。研究者たちは、このとき巻き上がるちりを調べることで、水やそのほかの鉱物などについて詳しいことがわかるのではないかと期待しています。
一方、現在のところ、LCROSSは地球と月の周りを回る軌道を飛行しており、NASAではアマチュア天文家の力を借り、LCROSSの追尾を行っています。
NASAのエイムズ研究センターのブライアン・デイ氏は、「より多くの観測があった方が、よりよい結果が得られる。私たちは、LCROSSを極地域の漆黒のクレーターに、400万キロの彼方からピンポイントでぶつけなければならない。だから、アマチュア天文家が、精密にLCROSSの軌道を決定する(手助けをできる)。」
もちろん、LCROSSは普通の探査機と同様、NASAの深宇宙追跡網(月・惑星探査機を追跡する電波ネットワーク)と、3日に1度交信をしています。その間を縫って、アマチュア天文家の観測が役に立つわけです。
「飛んでいる間は、探査機により多くの眼が注がれて欲しいと思うだろう。追跡という意味だけではない。異常があったときにも役立つのだ。以前には、アマチュア天文家が、スペースシャトルや他の探査機から何かものが出ているのを見つけたことだってあるのだ。」(デイ氏)
【この記事は現在執筆中です】
・NASA Science News (英語)
  http://science.nasa.gov/headlines/y2009/09jul_lcross1.htm
・ルナー・リコネサンス・オービター/エルクロス (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/LRO/