成功裏に打ち上げられた月探査機ラディー(LADEE)ですが、NASAによると、一時期探査機のリアクションホイールに不具合が発生したとのことです。なお、現在(このブログを投稿している時点)では回復しています。

リアクションホイールとは、探査機の姿勢を安定・変化させる姿勢制御装置で、こまの原理によって姿勢安定、変化を行う装置です。
ラディーのグループによると、探査機の打ち上げが成功し、最初の機器点検を実施した際、ラディーの内部コマンドが自動的に異常を検知、リアクションホイールを停止させたとのことです。NASAエームズ研究センターのラディーの運用チームによると、この異常は、打ち上げ前にリアクションホイールを保護するために設定値を低く下げていて、それを元に戻していなかったために生じたものとのことです。このため、電源をオンにした時点で、通常通り作動しようとしたリアクションホイールが自動停止することになってしまったわけです。

ラディーのプロジェクトマネージャーであるバトラー・ハイン氏は、「技術者が現在リアクションホイールの不具合検知プログラムについて必要な手段を講じている。この問題によって初期点検を遅らせるということはない。」と述べています。
また、エームズ研究センターの所長であるピート・ウォーデン氏は、「初期点検過程は進行中である。リアクションホイールの問題については数時間後には解決できる見通しだ。探査機自体には問題はなく、通信も平常通り行われている。」と述べています。