中国月探査トップの欧陽自遠氏がこのほど嫦娥3号について講演し、今回のミッションは新しい技術への挑戦が多く、困難であると述べています。その発言内容も人民網日本語版で伝わってきています。記事下のリンク3つがこの欧陽自遠氏の発言を記事にしたものですが、これまで嫦娥シリーズをずっと率いてきた人の発言であることを考えると、それだけ記事が多いということもうなづけるでしょう。
欧陽自遠氏は、今回のミッションでは無人での着陸を行うことから、安全な着陸が重要であると述べています。特に、月面に近づいて速度を落とす過程での制御などが重要なポイントになるとしています。また、今回はローバーが月の夜を越すことから、この「越夜技術」も重要だとしています。月の夜は、月の赤道地域であってもマイナス100度まで下がります(空気がないので、太陽の光が射し込まないと月面はあっという間に冷え込んでしまいます)。今回嫦娥3号は原子力電池を使って夜間の電力供給や保温を行いますが、中国もこの技術をはじめて開発しましたので、その成否が問われることになります。