来年(2013年)の打ち上げを目指して準備が進められている中国の月探査機、嫦娥3号ですが、その着陸点が正式に「虹の入り江」地域に決定しました。また、打ち上げ時期も2013年下半期と、さらに絞られてきています。10月12日付の人民網日本語版が伝えています。
虹の入り江(月面正式名Sinus Iridum)は月面の表側、北西にある「雨の海」のさらに北西側に位置する、湾状の地形です。衝突クレーターとみられており、直径は約240キロメートル、全体に大きなクレーターもなく、平坦であることが知られています。この点は、着陸探査、とりわけ(中国にとって)初の無人着陸探査である嫦娥3号には大きな利点であるといえましょう。
なお、人民網日本語版の記事には、中国月探査計画の最高責任者である欧陽自遠氏の話として、着陸点が6〜7ヶ所計画されたこと、さらに、南極地域も計画されたが、地形が険しいことから最終的な候補地にはならなかったことが記されています。
・人民網日本語版の記事
  http://j.people.com.cn/95952/7973581.html
・「虹の入り江」の写真 (Astronomy of The Day (APOD)) (英語)
  http://apod.nasa.gov/apod/ap080208.html
※写真、及び上記サイトは嫦娥3号の探査には直接関係がありませんが、参考として示すものです。
・嫦娥計画 (月探査情報ステーション)
  https://moonstation.jp/ja/history/Chang_e/